どんな仕事にも必ずと言っていいほど存在するクレーム対応。
あなたは、コールセンター業務で避けては通れないこのクレーム対応に、不安を感じていませんか?
「また怒られるんじゃないか」「上手く対応できなかったらどうしよう」と、ビクビクしながら電話に出る日々を送っていませんか?
でももう、恐れる必要はないです。
本記事でクレームをチャンスに変える方法を学んでいきましょう。
1章:クレーム対応の基礎
いきなりですが実は、クレーム対応を恐れる必要はありません。
というのも、クレーム対応は、あなた自身の成長そして会社全体の成長に繋がるチャンスだからです。
この章では、クレーム対応の基礎知識を学ぶことで、その後の具体的な対応策が理解できるようになります。
クレームを正しく理解することで、あなたは今までとは違った視点で、クレーム対応に臨めるようになるはずです。
1-1: クレームの種類
クレームと言っても、その種類は様々です。
大きく分けると、以下の3つの種類に分類できます。
- 一般的なクレーム: 商品の不具合やサービスへの不満など、企業側に非があると考えられるクレーム。
- 悪意のあるクレーム: 金銭目的や嫌がらせを目的とした、不当な要求を伴うクレーム。
- 的外れなクレーム: 企業側の責任範囲外であるにも関わらず、一方的に責任を押し付けるクレーム。
たとえば、購入した商品が不良品だった場合は、一般的なクレームに該当。
しかし、その不良品を理由に、本来の価格を大幅に超える金額を要求してきた場合は、悪意のあるクレームと言えます。
また、「購入した商品を友人に馬鹿にされたから返金してほしい」といった、企業側の責任とは関係のない要求は、的外れなクレームです。
このように、クレームといっても、その内容は千差万別といえるでしょう。
それぞれのクレームの種類を理解しておくことは、適切な対応方法を選択する上で非常に大切です。
1-2: クレーム発生原因
では、そもそもクレームはなぜ発生するのでしょうか?
それは、お客様の期待と現実との間にギャップが生じた時です。
ここで少し考えてみてください。
あなたが新しいレストランに行って食事をしたとします。
「この店の料理は美味しい」という評判を聞いて期待に胸を膨らませて来店したものの、出てきた料理はごく普通で、サービスもイマイチだったとしましょう。
この場合、あなたは「期待外れだった」と感じ、クレームを言うかもしれません。
これは商品やサービスに限った話ではありません。
企業の対応、電話対応の質が悪かったり、対応が遅かったりした場合にも、お客様は不満を感じクレームに繋がるのです。
つまり、お客様の期待値を上回る商品やサービスを提供すること、そしてお客様に寄り添った丁寧な対応を心がけることが、クレーム発生の予防に繋がります。
1-3: クレーム対応の重要性
「クレームなんて、できれば関わりたくない…」 そう思っていませんか?
しかし、クレーム対応は、企業にとって非常に重要な意味を持ちます。
そして、あなたを1歩成長させてくれるチャンスでもあるのです。
クレーム対応を適切に行うことで、お客様との信頼関係を築き、企業のブランドイメージ向上に繋がります。
とはいえ、サイレントクレーマーがほとんどです。
多くのお客様はクレームを言わずそのサービスや商品、企業から離れてしまうのが現実。
そうなると企業側は何が不満だったのかわからないままお客様が離れてしまうのです。
クレームを言う人は全体の4%と言われています。
そのため、企業としては不満を聞けるチャンスなんです。
あなたがクレームを言った際に、企業側が誠意を持って対応してくれたら、その企業に対して「対応が良い会社だな」と感じるのではないでしょうか。
そして、その経験から、またその企業の商品やサービスを利用したいと思うかもしれません。
逆に、クレーム対応を怠ったり、不誠実な対応をしてしまうと、お客様からの信頼を失い、企業の評判を落とすことにもなりかねません。
最悪の場合、SNSなどで悪い口コミが広まり、大きな損害に繋がる可能性もあります。
クレーム対応は、単なる「お客様の怒りを鎮める」ためだけの行為ではないのです。
企業の未来を左右すると言っても過言ではない!
だからこそ、クレーム対応の基本をしっかりと理解し、適切な対応を身に付けておくことが重要です。
ここまで、クレーム対応の基礎について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
次の章では、クレーム対応が苦手な人の特徴について深掘りしていきます。
あなた自身の「苦手」を克服するヒントが隠されているかもしれません。
2章: クレーム対応が苦手な人の特徴
前の章では、クレーム対応の基礎について解説してきました。
「クレーム対応は企業にとって重要なものなんだ」ということは理解できたと思います。
でも、実際にクレーム対応をするとなると、「やっぱり怖い」「苦手だ」と感じてしまう人もいるのではないでしょうか?
あなたは、クレーム対応に対してどんな気持ちを抱いていますか?
もしかしたら、あなたは、クレーム対応を苦手とする人の特徴に当てはまっているのかもしれません。
この章では、クレーム対応が苦手な人の特徴を解説していきます。
ご自身の現状を理解し、改善点を把握することで、あなたはクレーム対応に対する苦手意識を克服できるはずです。
2-1:スキル不足
クレーム対応が苦手な人に最も多いのが、スキル不足。
「スキル」と言うと、特別なテクニックや高度な知識が必要だと考えてしまうかもしれません。
しかし、ここでいうスキルとは、お客様の話を丁寧に聞く、分かりやすく説明する、といった基本的なコミュニケーション能力のことです。
「お客様の話を最後まで聞かずに、自分の意見を一方的に話してしまう」
「専門用語を多用して、お客様が理解できない説明をしてしまう」といったケースは、スキル不足が原因と言えるかもしれません。
このような対応をしてしまうと、お客様の怒りをさらに増幅させてしまい、クレームを悪くなる一方です。
適切なクレーム対応には、オペレーターにある程度の高いスキルが求められます。
スキル不足を解消するためには、日々の業務の中で、お客様とのコミュニケーションを意識することが大切です。
「お客様の話にしっかりと耳を傾け、共感する姿勢を示す」「難しい言葉は使わずに、分かりやすい言葉で説明する」といったことを心がけるだけでも、お客様の印象は大きく変わります。
2-2: 感情コントロール
クレーム対応が苦手な人のもう一つの特徴として、感情のコントロールが苦手という点が挙げられるでしょう。
クレーム対応の現場では、お客様から怒鳴られたり、理不尽な要求を突き付けられたりすることもあります。
そのような状況に直面した際に、冷静さを保てずに感情的に反応してしまうと、事態をさらに悪化させる可能性があるのです。
お客様に怒鳴られた際に、自分もついカッとなって言い返してしまったり、恐怖のあまりに何も言えなくなってしまったりするケースは、感情コントロールがうまくいっていない状態と言えます。
感情的になってしまうと、冷静な判断ができなくなり、適切な対応を取ることが難しくなるでしょう。
クレーム対応が苦手な人が感情的になったり、慌てたりしてしまうと、状況が悪化してしまう可能性があります。
感情コントロールのスキルを身につけるためには、まず自分の感情に気づくことが大切!。
「今、自分はどんな感情になっているのか」「なぜ、そう感じているのか」を客観的に分析することで、感情に振り回されない自分になれるはずです。
また、深呼吸や瞑想など、気持ちを落ち着かせるテクニックを身につけるといいですね。
電話応対の場合、保留などを使って一度深呼吸するというテクニックも有効です。
2-3: 社内環境
クレーム対応が苦手な人の特徴は、必ずしも個人の能力だけに原因があるわけではありません。
実は、会社全体の体制や、職場環境に問題があるケースも少なくないのです。
「クレーム対応に関するマニュアルが整備されていない」「上司や先輩から適切なサポートが得られない」といった環境では、たとえあなたが優秀なスキルやメンタルを持っていたとしても、十分な力を発揮することは難しいですね。
クレーム対応の担当者によって対応の質が変わってしまうと、クレーム対応全体の質を向上させることはできません。
クレーム対応を行うメンバーに、最低限の対応の質を担保するためにもサポート体制が必要です。
クレーム対応を円滑に行うためには、会社として、従業員が安心してクレーム対応に臨めるような環境作りが不可欠!
クレーム対応マニュアルの作成、研修の実施、相談しやすい雰囲気づくりなど、会社全体でクレーム対応の重要性を認識し、具体的な対策を講じる必要があるでしょう。
ここまで、クレーム対応が苦手な人の特徴について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
次の章では、苦手な人の特徴を踏まえ、クレーム対応が上手い人の特徴と心得について解説していきます。
3章: クレーム対応が上手い人の特徴と心得
前の章では、クレーム対応が苦手な人の特徴を分析してきました。
では、反対にクレーム対応が上手い人とは、どんな特徴を持っているのでしょうか?
この章では、クレーム対応が上手い人の特徴を5つ紹介し、彼らが持つ対応の心得について解説していきます。
彼らから学び、実践することで、あなたもお客様の心を掴む対応を習得できるはずです。
3-1: 豊富な知識と経験
クレーム対応が上手い人は、自社の商品やサービスはもちろん、関連する法律や業界の知識まで幅広く習得しています。
その豊富な知識を活かすことで、お客様の質問や疑問に的確に答え、的確な解決策を提示することができるのです。
「お客様から商品に関する専門的な質問を受けた際に、詳細な情報提供を行う」
「返品や交換に関する法律や社内規定を理解した上で、適切な対応を行う」
といったケースでは、豊富な知識が大きな武器となります。
知識に加え、過去のクレーム対応経験から得たノウハウも、彼らの対応を支えてるのです。
様々なケースを経験し、対応方法を分析することで、臨機応変に対応できるスキルを磨いているのがわかりますね。
3-2: 冷静沈着な対応
どんな状況でも冷静さを失わず、感情的にならないことは、クレーム対応において非常に重要です。
お客様から激しい怒りをぶつけられても、動揺することなく落ち着いて対応することで、事態の悪化を防ぎ、お客様の気持ちを鎮めることができます。
「常に冷静沈着に対応するものだと心に念じておくといい」 ことは、クレーム対応を成功させるための重要な心得です。
感情に流されず、客観的に状況を判断することで、適切な対応を選択できるようになります。
3-3: 顧客視点に立った対応
お客様の立場や気持ちを理解し、共感することは、クレーム対応の出発点です。
まずは、お客様の話を傾聴し寄り添う!
ここがポイントです。
「もし自身がお客様の立場だったら、どのような気持ちになるか」 を考えることが、顧客視点に立った対応の第一歩となります。
お客様の気持ちを理解した上で、丁寧な言葉遣いと分かりやすい説明を心がけることで、お客様との信頼関係を築くことができます。
3-4: スムーズなコミュニケーション
クレーム対応が上手い人は、優れたコミュニケーション能力を持っているのです。
お客様の話にしっかりと耳を傾けあいづちを打ちながら、重要なポイントをメモすることで、お客様の真の要望や不満を正確に理解しようと努めます。
また、相手のペースに合わせて話を進め、分かりやすい言葉で説明する ことで、お客様に安心感を与え、スムーズに問題解決へと導いているのです。
3-5: ポジティブな思考
クレーム対応は、決して楽しいものではありません。
しかし、クレーム対応が上手い人は、クレームをネガティブなものと捉えず、むしろ「お客様との関係を強化するチャンス」と捉えています。
お客様からの意見や要望を真摯に受け止め、今後のサービス改善に活かすことで、顧客満足度向上につなげているのです。
「クレームを伝えてくれたことや時間をいただいたことに対して感謝を伝えよう」 という姿勢は、お客様に好印象を与え、リピーター獲得にも繋がります。
これらの特徴と心得を参考に、あなたもクレーム対応スキルを向上させていきましょう。
次の章では、具体的なクレーム対応の手順について詳しく解説していきます。
4章: 具体的なクレーム対応の手順
前の章では、クレーム対応が上手い人の特徴と心得について解説してきました。
彼らのように、お客様の心を掴む対応をするには、具体的な手順を理解し、実践することが重要です。
この章では、様々な場面で応用できる、クレーム対応の基本的な手順を5つのステップに分け、それぞれのステップにおけるポイントを詳しく解説していきます。
これらのステップをマスターすることで、あなたはどんなクレームにも自信を持って対応できるようになるはずです。
4-1 ステップ1:お詫びをする(部分謝罪・傾聴)
クレーム対応において、まず最初に行うべきことはお客様の気持ちを落ち着かせることです。
お客様は、怒りや不満を抱えた状態で連絡をしてきています。
そのため、まずは「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」 などの言葉と共に、お客様に寄り添う姿勢を示すことが重要です。
この段階では、まだクレームの内容が詳しく分かっていません。
そのため、全面的に非を認める必要はないのです。
「ご不便をおかけして申し訳ございません」「お手数をおかけしてしまい申し訳ございません」など、お客様にクレームを入れる手間を取らせてしまったことや、不安にさせてしまったことに対してお詫びをするようにしましょう。
また、お客様の話を最後まで遮らずに聞くことも大切です。
お客様は、自分の気持ちを聞いてほしい、理解してほしいと思っています。
途中で話を遮ってしまうと、お客様の怒りをさらに大きくしてしまう可能性があるのです。
お客様が話し終えるまでは、辛抱強く、最後まで耳を傾けましょう。
4-2: ステップ2:お客様の気持ちを理解する(心情理解)
お客様の話をじっくり聞いた後には、お客様の気持ちを理解することに努めましょう。
「もし自分がお客様の立場だったら、どのような気持ちになるか」 を考える必要があります。
お客様の立場に立って共感することで、「この人は私の気持ちを理解してくれる」と安心感を与えることができるのです。
具体的には、「自分も同じ立場なら、お客様と同じ思いになるかもしれません」などと伝えてみましょう。
このステップを踏むことで、お客様は冷静さを取り戻し、次のステップである事実確認で、相手に話をしてもらう、こちらの話を聞いてもらうベースを作ることができます。
4-3 ステップ3:事実確認をする
お客様の気持ちが落ち着いたら、クレームの詳細について事実確認を行いましょう。
事実確認を行う際には、以下の点に注意が必要です。
- 内容を記録しておく:質問をしながらメモを取っておくことで、後から内容を整理しやすくなります。
- 簡潔に質問をする: 長い質問は、お客様をイライラさせてしまう可能性があります。
- クッション言葉を活用しながら質問をする:「差し支えなければ」「お教えいただけませんでしょうか」といったクッション言葉を使うことで、お客様に与える印象を和らげることができます。
4-4 ステップ4:解決案・代替案を提示する
事実確認が完了したら、お客様の要望を満たすための解決策を提示しましょう。
解決策を提示する際には、以下の点に注意します。
- 良識の範囲内で誠意を見せる:度を越えた対応は、後々トラブルになる可能性があります。
- 分かりやすい言葉で伝える: 専門用語や難しい言葉は避けて、お客様が理解しやすい言葉で説明しましょう。
- お客様の事情も考慮する:「それでは早速○○とさせていただきたいのですが・・・」というように、お客様の立場に立って話を進めるようにしましょう。
4-5 ステップ5:再度お詫び+感謝を伝える
最後に、再度お詫びの言葉を伝え、クレームを伝えてくれたことへの感謝の気持ちを伝えましょう。
お客様は、会社に改善してほしいという気持ちを持って、貴重な時間を割いてクレームを伝えてくれたのです。
そのことに対する感謝の気持ちを伝えることで、お客様との信頼関係を保つことができます。
クレーム対応は、企業にとって大変な業務ではありますが、お客様の声を直接聞ける貴重な機会です。
今回ご紹介した手順を参考に、お客様との良好な関係を築き、顧客満足度向上につなげていきましょう。
5章: クレーム対応のコツと文例
クレーム対応は、企業の顔としてお客様と接する重要な役割です。
ここでは、お客様のタイプ別の対応方法と、スムーズな対応のための文例をご紹介します。
5-1: 「責任者を出せ!」との要求に対する答え方
まずは、「先に私でお話しお伺いさせてください」と伝えましょう。
その後、お客様が責任者を求める場合、まずは「私が責任者でございます。」と伝え、誠意をもって対応します。
状況によっては上司に相談し、対応を引き継ぐことも必要です。
その際は、「私が責任者ですが、上司に状況報告させていただき対応を引き継ぎます。」と
伝えてから、上司に対応を引き継ぎましょう。
5-2: 電話・メールでの対応例文
- 電話: 「この度は、ご迷惑をおかけし申し訳ございません。状況を確認し、折り返しご連絡いたします。また、その際に、お伺いした内容の対応策についても確認させて頂きます。」
- メール: 「〇〇様、お問い合わせありがとうございます。この度は、ご不便をおかけし、誠に申し訳ございません。ご指摘の件につきまして、確認し、改めてご連絡いたします。」
5-3:キラーフレーズ集
- 「お気持ち、お察しいたします。」
- 「ご不便をおかけして申し訳ございません。」
- 「貴重なご意見をありがとうございます。」
- 「貴重なお話を聞かせていただきありがとうございます。」
- 「なかなか、ご意見をいいにくい中ご意見を頂き誠に感謝いたします」
- 「私個人的には、〇〇様と同感です」
- 「私の権限でできる限りの対応をさせていただきます」
- 「私ができる限りの対応をさせていただき、必要なら上司を説得します」
- 「頂きましたご意見につきましては、社内で共有させていただき今後のサービス改善に尽力させて頂きます」
これらのフレーズは、お客様の気持ちを和らげ、円滑なコミュニケーションを図るために効果的です。状況に応じて使い分けましょう。
お客様に寄り添った丁寧な対応を心がけることが、クレーム対応を成功させるための鍵です。
6章:まとめ
ここまで、クレーム対応の基礎や対応のコツなどを学んできましたが、いかがでしたでしょうか。
クレームは「求めているサービスに対して、現実とのズレが生じたとき」に発生します。
そのため、まずはお客様が求めているサービスを提供できなかったということに対してお詫び、傾聴しましょう。
これができれば、クレームのほとんどは落ち着きます。
また、あなた1人で戦うべきではないことを理解してほしいです。
あなたが1人で解決できなくても上司に対応を引き継げます!
さあ、ぜひ怖がらずクレーム対応を成功させましょう。
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